このページは、最近売り上げが落ちてきたので、広報をもうちょっと力を入れようという目的で、ウェブサイトを強化したり、アイデアを持つ外部人材を探している地方企業・中小企業の経営者、およびプロジェクト担当者の方に向けて書かれています。
また、伴奏支援のコンサルティングを行なう際の思考基礎について、以下のページにまとめました。
もしよろしければご覧ください。
50年先を想像した時間配分設計の羅針盤|にゃんこ伊藤@ことほむ
前回の記事『Google I/O2026を見て感じた、慣性経営は「終わった」感の正体』を公開した後、具体的な相談が寄せられました。 具体的な名称は省かせていただき、公開する事を快諾していただけました。 補足説明も入っているので、ぜひ聞きながら読んで下さい。 Note: The reality is that in regional Japan, small and medium-sized businesses are falling way behind. Forget DX—many haven’t even fully adopted basic IT yet.
対処療法から経営企画(根本原因)への転換
「ホームページの制作代行を頼めば、本当に自分たちの価値は伝わるのだろうか」
こうした疑問にたどり着く前に、出入りの業者などに、「ホームページを作ってくれる業者、知らない?」などと訪ねていませんか?
そうした行為は、じつは思考停止に陥っているのですが、実は既知の方法論の基礎を理解していない為、気がつかないまま、過去と同じ事をしようとしているのです。
こうした行為は、決してあなたが悪い訳ではありません。
自社の価値化広報手法(ブランディング)は、1950年代から2020年代まで、一部の代理企業が独占していた為、知る機会が無かったのです。
その結果、下記のような状況に陥った経験はありませんか?
- 優秀な外部人材を採用したはずなのに、指示待ちになってしまい成果が出ない
- ITツールを導入してみたけれど、使いこなせず形骸化してしまった
- 外部の人材に実務を依頼したものの、契約が終わると元の状態に戻ってしまう
これらの結果は、目の前の課題を一時的にしのぐ〝対処療法〟を繰り返す一方で、組織の根幹となる〝自社ならではの文脈(歴史・文化・人の想い)〟を整えることを後回しにしてしまっていることにあります。
こうした社内文化などへ、従来のブランディングが踏み込めなかった理由は、手間がかかる上に、社会文化(過去の価値感)との比較工程が必要で、数値化できないうえに、指標とは違う、文化文脈の専門知識が必要な領域だったため、代理企業に人材が居なかったことと、コストパフォーマンスが悪かった為です。
そして、このような領域は〝経営企画〟と呼ばれます。
現在でもこの部署を経験した人でなければ、何をしているのか、なんの為のセクションなのか理解しづらく、そこに割く予算感もわかりづらいのではないでしょうか?
水面上の「花」を咲かせる、水面下の「泥」へのまなざし
ことほむ社は、コンサルティングの基盤に、天台の教えにある「蓮華三諦観(れんげさんたいかん)」という思想を置いています。
水面上に美しく咲く蓮の花(目に見える売上、最新のITツール、洗練されたSNSの投稿)は、水面下の見えない深層にある、様々な栄養や毒素も混じった〝泥〟があって初めて大輪を咲かせます。
ビジネスにおける〝泥〟とは、その企業が歩んできた独自の歴史、育まれてきた社内文化、業界の商慣習、そして地域社会に根ざした精神文化に他なりません。
近年増加している〝タスク型外注(実務の切り出し)〟は、この〝泥〟に当たる部分ではなく、もっと水面に近い部分で判断されているため、〝その場しのぎ〟に終わってしまいます。
言ってしまえば、〝泥〟の豊かさを無視し、水面上にプラスチックの〝造花(一過性のタスク処理)〟を突き刺そうとするからです。
| 比較軸 | 水面上の「花(タスク処理)」 | 水面下の「泥(経営企画・歴史・文化)」 |
| ビジネスの実態 | インスタグラムの投稿代行、ECサイトのボタン改修、PCデータの移行 | 社長の頭の中の「暗黙知」を言語化し、組織の「共通言語」へと変換する機能 |
| 向き合う対象 | 表面的な数値、デジタルツールの操作、マニュアルの遂行 | 創業理念、100年の歴史の地層、社内文化、地元の人間関係の紐帯(しがらみ) |
| 起こりがちな失敗 | 契約終了と同時に、ノウハウが消え去り「元戻り」する | 大企業の型をそのまま持ち込み、独自の組織風土とハレーションを起こす |
| ことほむ社の介入 | AI技術を駆使した、持続可能な運用のための「仕組み化」 | 対話と傾聴を重ね、眠れる「物語(ナラティブ)」を発掘し、価値に翻訳する |
世界観を置き去りにした機能主義の限界
多くの外部人材活用でミスマッチが生まれるのは、多くのプロ人材が〝機能(マーケティング、人事、財務)〟という西洋的フレームワークだけで地方企業の課題を解こうとするからです。
企業は、過去・現在・未来が複雑に繋がり合った、有機的なひとつの〝生命体〟です。
一見バラバラに見える社内行事や先代のこだわり、地元の商工会との付き合いといった事象は、すべて網の目のように密接に結びついています。社員数が絶対的に多い企業のプロ人材が、こうした繋がり(縁起)を無視して「ペルソナを再定義し、SNSで直接消費者と繋がりましょう」と、機能主義的な戦略を提示したとします。
しかし、その地方中小企業のビジネスをこれまで支えてきたのは、決して数値化できない〝先代から続く地元企業との深い信頼関係〟や〝地域のお祭りを共に創り上げてきた歴史(社会文化)〟です。
ことほむ社では、独自のプロセスとして〝世界観設定〟という手法を導入しています。
これは、アニメーション作品でキャラクターがどのような振る舞いをするか等を設計する時に使われるノウハウで、その地域文化や業界の日常に生きるために必要な設定として、世界観のレベルから緻密に描く手法です。
歴史の地層や「地元の文化的なコンテキスト」を正しく翻訳するナビゲーターが社長と外部人材の間にいなければ、どれほど高額な戦略を立てても、組織の文化的な免疫反応(ハレーション)によって拒絶されてしまうのです。

社長の暗黙知を共通の言葉にする翻訳機能の不在
〝経営企画〟という言葉は聞いた事があっても、実際の業務は想像しづらいと思います。
大きな企業では、予算管理や中期経営計画を作る専門部署として機能している事が多く、総務部内に包括している場合もあります。
しかし、中小企業にとっての経営企画とは、予算を作成したり、経営計画を作る機能だけではなく、〝経営者(陣)の頭の中に眠る、社史・社内文化に裏打ちされた強み(暗黙知)を、現場や外部人材が共有できる『言葉と仕組み(形式知)』に翻訳なおす機能〟も必要になります。
多くの中小企業では、この翻訳を社長が一人で担っています。
しかし、いくら言葉にしても、現場にはなかなか浸透しない悩みを良く聞きます。
- 経営と現場の断絶
- 経営陣が抱える「地域で愛されるブランドにしたい」というビジョンが、掛け声だけで終わり、現場の日常タスクに結びつかない。
- 部門間の断絶
- 歴史的に営業と製造の間に流れる〝職人文化のこだわり〟と〝顧客の要望〟のズレが言語化されず、暗黙の不満になっている。
- 過去と未来の断絶
- 創業者が築いてきた「お客様から愛されている真の理由(歴史・文化)」が明文化されないまま、なんとなく風化していく。
この翻訳(明文化・共有)は、あの日本を代表する大企業であるトヨタ自動車でさえも深く苦労している領域です。
彼らは〝トヨタイムズ〟というオウンドメディアを運用することで、インサイド(社内およびグループ会社)に向けたトップの思想共有と、文脈の明文化を図っています。
大企業のこの動きを、〝潤沢な予算がある大手だからできること〟と捉えてしまうと、本質を見失います。
ここで大切なのは、記録することではなく、〝いかに興味を持って読んで(視聴して)もらえるか〟という編集・ナラティブの視点です。
トヨタが莫大なコストを割いてまで取材・発信を続けるのは、それほどまでに〝経営陣の思想を共有する翻訳機能〟が、組織の生命線であると知っているからです。企業規模が小さくなったとしても、やるべき本質は全く変わりません。
歴史の地層を掘り起こす、対話と傾聴の伴走支援
断絶を乗り越え、自己変革に導くには、水面下の〝泥(コンテキスト)〟を今一度深く掘り下げることです。
そのためには、中小企業庁が推奨する〝経営力再構築伴走支援〟の基本理念でも書かれているよう、支援者が徹底した〝対話と傾聴〟の姿勢をとることが重要です。
経営者にとっては、自社の本質的な課題(意思決定の属人化や、社会的なポジション)は見えにくいものです。
そこで、外部環境と内部環境を洗い出し、企業の生い立ちや危機を乗り越えた歴史、社内の人間関係、地域の文化と社会の潮流を組み合わせ、〝生きたナラティブ(物語)〟を、対話の中から丁寧にすくい上げ、言語化していきます。
そうしてできたナラティブに対し、深い腹落ち(納得感)が経営者の中に生まれたとき、初めて内発的動機づけが行われ、能動的な組織変革の歯車が回り始めます。
このナラティブは、自社サイトの企業理念と一対になるはずです。ここでウェブサイトの役割が明確になってきます。
参考にするのはトヨタイズム。このサイトの内容は、社内向けでありながら外部にも公開しています。
AI検索時代となって、サイトへの流入が無くなる時代において、社内向けのナラティブなどの情報を公開しておいても問題は起きないと考えられます。むしろ、AI検索時のレコメンド先として参照され、共感する企業担当者との出会いに繋がる可能性が高いのです。
歴史学とAIを架橋し、100年先の日本に文化の種を残す
ことほむ社は、歴史学の深い専門知を持つ徒であり、同時に最新のAI・デジタル技術を操るアーキテクト(設計士)でもある、稀有なハイブリッド集団です。
私たちは、あなたがマッチングプラットフォームで素晴らしい人材と出会う前、あるいは出会った後に、そのコラボレーションを本物の成果に変えるための〝土壌を耕すナビゲーター〟でもあります。
ウェブ制作会社ではなく、コンサルタントである理由は、AI時代における情報サプライチェーンの再設計にある
ウェブサイトを作ること自体が目的であるならば、世の中にある数多くの優れたウェブ制作会社に依頼するのが最善です。
そして、ことほむ社はウェブ制作会社ではありません。
私たちは、あなたの会社の価値を翻訳なおす〝コンサルタント(伴走者)〟であり、コンテンツ制作会社でもあります。
なぜ、ウェブサイトのコンテンツを作るのに〝経営企画〟という深い領域にまで踏み込まなければならないのか。
その答えは、文化潮流の変化とAI検索時代における〝情報サプライチェーン(情報の供給網)〟の劇的な変化にあります。

これからの未来では、ウェブサイトが果たす役割は、人に見せることではなく、まず〝AI(PerplexityやGoogle SGEなど)に向けて、正確で高密度に、自社の物語を発信すること〟です。
今のAI検索エンジンは、Web上の情報をリアルタイムにスキャンし、信頼できる一次ソース(出典元)としてユーザーに推薦・引用します。
このAIを経由して理想の顧客やパートナー(人間)へと価値が届く〝情報サプライチェーン〟を組んだ時、低密度な情報しか掲載していない場合や、他社と比較して、決定的な差が見つからない情報では、AIの評価アルゴリズムを決して通過することはできず、結果的に届けたい人に届きません。AIが自ら検証し、自信を持ってレコメンド(引用)するのは、
- 自社が何のために存在するのかという独自の存在理由(理念)
- どのような歴史・文化的背景、苦労や葛藤を経てその製品(サービス)が生まれたのかというナラティブ
- それらが客観的かつ体系的なデータやマニュアル、歴史的コンテキストとして構造化されているかという形式知
こうした、深層に裏打ちされた一次情報だけです。
だからこそ、私たちは経営企画(経営陣の頭の中の翻訳と仕組み化)という根本の領域にまで踏み込まざるを得ないのです。
これまで、1950年代から大手代理店が主導してきたブランディングが実質的には、ロゴやビジュアルを作って終わりで止まってしまっていたのは、この水面下の深い文脈や、数値化できない歴史・社内文化、いわゆる泥の部分を整理する仕組みがなかったからです。
ことほむ社があなたの横に立ち、経営企画として組織の土壌を耕し、ウェブサイトというナラティブの発信先を整えたとき、これまで動くことのなかったブランディングの歯車が、AIという強力な追い風を得て、ダイナミックに動き出すのです。

