
Kotohomu R&D Projects
文化を未来へ実装するための、
4つの開発領域。
2026年、AIの普及により「情報のあり方」は根本から変わろうとしています。
ことほむ社は、「歴史・文脈(ナラティブ)」を次世代の社会システムに実装するための研究開発(R&D)を行っています。
「データ構造」「対話技術」「地域教育」「組織継承」。
これら4つの視点から、文化が100年後も生き残るためのインフラ構築に挑んでいます。
- Narrative Schema(データ構造化): 歴史をAIの「常識」にするデータ開発
- WebMate / Edge AI(対話インターフェース): サーバーレスで動くAIエージェント開発
- Social Implementation(地域・教育実装): 信州上田・リカレント教育プロジェクト
- Real Person Certification Protocol(真贋・実在証明): 肖像カメラマン認証フロー開発
開発プロジェクト一覧
知財・データ構造化
歴史を、AIが理解できるデータに翻訳する。
―Narrative Schema Optimization―
課題: 現在の生成AIは、一般的な知識には強い一方で、特定の地域や企業の「固有の文脈(歴史・想い)」を正確に理解できず、幻覚(ハルシネーション)を起こしがちです。
開発内容: 社史、自治体史、伝承といった「非構造化データ(テキストの塊)」を、AIが誤読なく参照できる独自の「ナラティブ・スキーマ(構造化データ)」に変換するロジックを研究・開発しています。
これにより、検索エンジン(SGE)やAIエージェントに対して、「正確な歴史」を「信頼できる知識」として優先的に参照させる技術基盤とコンテンツ開発フローを構築しようとしています。
- Key Tech: JSON-LD, Vector Database, RAG (Retrieval-Augmented Generation)
- Target:自治体アーカイブ、企業社史編纂
対話インターフェース
サーバーレスで動く、プライバシー重視の「AIエージェント」。
―WebMate AI / Edge Computing―
課題: クラウド型AIチャットボットは、ランニングコストが高く、社外秘情報や顧客プライバシーを外部サーバーに送信するリスクが伴います。そこで、ブラウザやスマホOSに内蔵されるAIを使った会話形のエージェントをウェブサイトで実装しようと考えています。
開発内容: Google Chrome内蔵AI(Gemini Nano)などを活用し、ユーザーのブラウザ内で完結する対話型AI「WebMate」のプロトタイプを開発中です。
LLMサーバへの通信を行わないため、「維持費ほぼゼロ」「LLMサーバへの情報漏洩リスクゼロ」「LLMサーバ負荷ゼロ」を目指しています。
現在の企画では、静止画から生成されたアバターを簡単なアニメートをさせて、サイト内の情報を元に、自律的に接客を行えるようにしようと考えています。またWordPressのプラグインとして実装できないか実験中です。
- Key Tech:Gemini Nano (Chrome Built-in AI), WebAssembly, Live2D/Emote
- Status:Alpha Preview (Chrome Canary環境等での実証実験中)
地域・教育実装
課題: 観光地は「消費」されるだけで終わりがちであり、クリエイターや学習意欲の高い層との継続的な関係(エンゲージメント)が築けていません。
開発内容: 長野県上田市(信州上田)エリアを実証フィールドとし、上田城下町観光協会および、上田ブランド研究所.LLCの協力をもらい、クリエイターの聖地化を目指して、地域の伝承や歴史素材を、クリエイターが創作活動に利用しやすい「シード(種)」として再編集・提供するプラットフォームの構築やツアーモデルコースなどを準備中です。
また、歴史ナラティブのリカレント教育利用として歴史物語を大人のための「学び直し(リカレント)」教材としてパッケージ化。
AIによる解説と組み合わせ、観光客を熱心な「学習者(ファン)」へと変えるしくみを開発中です。
- Goal:関係人口の創出、クリエイター誘致による文化発信
- Field:長野県上田エリア
真贋・実在証明
「その人は、本当に実在するか?」 アナログな出会いを、デジタルの証明に変える。
―Real Person Certification Protocol―
課題: 生成AI技術の発展により、架空の人物写真(Deepfake)を簡単に作成できるようになりました。
Webサイトに掲載された「代表者」や「役員」が本当に実在する人間なのか、デジタル上だけで証明することは困難になりつつあります。
開発内容: プロの肖像カメラマンとビジネス交流会(異業種ネットワーク)の信頼関係をベースにした、「カメラマン認証エコシステム」を構築・検証することを準備しています。
Target:経営者、個人事業主、信頼性が重視される士業・コンサルタント
仕組み(プロトコル)
- 物理的な証明:信頼できるカメラマンが対象者を撮影し、「確かに会って撮影した」証拠としてツーショット写真を記録。
- デジタルの証明:認証局サイトに証拠写真を登録し、被写体のWebサイトには「認証バッヂ」を表示するプラグインを実装。
- 検証の狙い:顔が見えるビジネスコミュニティ内でこの仕組みを広げることで、「人の繋がり」を担保にした「デジタル実在証明」が機能するかと、AIによるレコメンドにどの程度影響を与えるか? について検証することが目的です。
Role:企画・認証フローおよびシステム設計(プロデュース)、プラグイン開発
R&Dのスタンス
技術は、文化を守るためにある。
私たちが最新技術(Edge AIやスキーマ構造化)を追いかける理由は、技術そのものではなく、その背後にある「守りたい物語」があるからです。
古いシステムや、アナログな手法だけでは、急速にデジタル化する社会の中で文化が埋没してしまうかもしれません。
「歴史の深み」を「最新の技術」でパッケージし直し、未来のインフラに乗せる。
それが、ことほむの使命と考えています。
よくあるご質問
「ナラティブ・スキーマ」とは何ですか? SEO対策とは違うのですか?
物語を「文章」ではなく、AIやクリエイターが扱える「データ(パーツ)」として定義し直すことです。
例えば「桃太郎」を例にした場合、「昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが…」という文章は、構造化されていません。そこで、物語を「時代」「場所」「登場人物」「人物の背景・関連情報」「出来事とその背景」「関連する史跡・資料」といった具体的な要素(パーツ)に細かく分解し、定義付けを行います。
一般的なSEO対策が、検索エンジンのために「キーワード」を散りばめる手法であるのに対し、ナラティブ・スキーマは、AIや読み手に「文脈(コンテキスト)」を正しく理解させることを目的としている点が大きな違いです。
また、物語をこのように細かいパーツとして分解・保存しておくことで、クリエイターが二次創作の材料(シード)として利用しやすくなるというメリットもあります。
開発中の対話型AI「WebMate」は、従来のチャットボットと何が違うのですか?
最大の違いは、ユーザーからの問いかけを待つ「受動型」ではなく、AI側から予測して話しかける「能動型(プロアクティブ)」である点です。
Google等が開発を進めるブラウザやスマートフォンOSに内蔵されたAIを活用し、あらかじめ設定した「キャラクター」と「サイト内情報」を元に自由対話を行います。
従来のチャットボットは、ページに入った後もユーザーからの操作を待機しているだけですが、WebMateはリファラー(流入元)情報などから「ユーザーが何を知りたくて訪問したのか」を推測し、「〇〇についてお探しですか?」といった先行アプローチを行います。
これにより、ユーザーが自分でページを探し回るストレスを軽減し、より自然で気の利いた接客体験の実現を目指しています。ユーザー体験を通したブランディングとも直結するものと考えています。
信州上田で行っている「社会実装実験」とは、具体的に何をするものですか?
「クリエイター支援」と「リカレント教育」の2軸で、観光の質的転換を図るプロジェクトです。
1. クリエイターサポートの聖地化(クリエイター支援)
上田エリアを「消費される観光地」から「創造される観光地」へと転換する計画です。
具体的には、真田の歴史や風土を、Web小説家などが創作に使いやすい「ナラティブ素材(史実+ファンタジー翻訳)」として提供し、新たな物語(N次創作)を生み出すための土壌を作ります。
「上田ナラティブ素材ライブラリー」の開放や、リアルな交流拠点「ギルドボード」の設置などを通じ、クリエイターが集まる環境を整備します。2. 歴史ナラティブのリカレント教育利用(リカレント教育)
2026年以降の経済トレンドを見据え、企業の研修予算やシニア・富裕層向けに特化した高付加価値な教育プログラムを開発します。
歴史を単なる知識ではなく、現代ビジネスにも通じる教養としてパッケージ化し、「大人の学び直し(リカレント)」需要を取り込むことで、一過性の観光客を、地域と深く関わる「学習者(ファン)」へと変えるビジネスモデルを構築しようとしています。
Deepfakeなどの偽物対策として、どのような認証システムを開発していますか?
プロのカメラマンと異業種交流会のネットワークを活用した「真贋・実在証明プロトコル」を開発しています。
生成AI技術の発展により、架空の人物写真(Deepfake)と実在の人物の区別が困難になりつつあります。
そこで、「信頼できるカメラマンが確かに対面して撮影した」という物理的な証拠(ツーショット写真等)を認証局に登録し、対象者のWebサイトに「認証バッヂ」を表示するプラグインを実装することで、顔の見えるコミュニティ内でのデジタル実在証明を行います。
ことほむ社は、このエコシステムの企画・設計(プロデュース)およびプラグイン開発を担当し、「人の繋がり」を担保にした信頼性の検証を行っています。