はじめに
主にアニメーション作品の背景美術・キャラクターデザインに於いて時代考証資料および監修をおこなっております。
最近では広告(CM)の衣装監修やウェブサイトの記事監修のリクエストも多く頂いておりますので、そちらも承っています。
なお、考証作業と監修作業では大きく作業内容・工数が異なりますので、どちらをご希望かお伝え下さい。
制作会社・広告代理店の方へ
最近YouTube等へ流すCM動画において、神話をモチーフにしたもの、歴史上の人物、御伽草子などの昔話をベースにした表現において、日本文化の表現としておかしいのではないかといった意見から、いわゆる炎上状態にならないか、クライアントへの提案・説明資料や、コンテ・メインビジュアルなどを確認してほしいといったお問い合わせ・ご相談をいただいております。
当然、こうした文化的な背景や表現に関する炎上リスクについても、専門的な知識と経験をもって承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
※ケースバイの対応となりますので、オンラインMTGを前提にお考えいただければ幸いです。弊社ではGoogle Meetのルームをご用意できます。
考証・監修の違いについて
主な違い
- 時代考証は、主に特定の時代背景に関する正確性を追求するのに対し、監修は作品全体の品質や正確性を包括的に評価します。
- 時代考証は、制作の初期段階から関わることが多いのに対し、監修は完成した作品に対して意見を述べることが多いです。
つまり、時代考証は作品の土台となる時代背景を正確にすることに重点を置き、監修は作品全体を専門家の目でチェックし、品質を高めることに重点を置きます。
時代考証
- 作品内の時代背景や風俗、文化などを歴史的事実に基づいて調査・研究し、作品の正確性を高める資料収集やアドバイスを行います。
- 衣装、道具、言葉遣い、建築物など、具体的な描写に関する検証と資料の提示を行います。
- アニメーションの企画段階で原作指摘やキャラクターデザイン時の衣装チェック、舞台背景の設定などがこちらに該当します。
拘束期間が長くなることが特徴です。
監修
- 作品全体の品質や正確性を総合的にチェックし、専門的な立場から助言・指導を行います。
- 作品が歴史的、文化的、専門的な観点から適切な内容であるかを評価し、レポートとして提示します。
- CM制作時の衣装確認や、ウェブサイトでの記事確認、観光ガイドの説明資料の確認などがこちらの該当します。
そのため、拘束期間が短くなることが特徴です。
資料収集・時代考証・監修サポート料金について
考証・監修内容によって変わりますので、お問い合わせください。
ご予算に応じて対応いたします。
目安
- アニメ作品1クール/時代考証:30万円〜
- 設定監修/10万円〜
- 記事監修/5万円/1件〜
※記事のボリュームによって変動します。
※あくまで目安ですので、詳細を打ち合わせの上お見積りいたします。
※CM動画等の監修やアドバイスであれば、上記価格は参考程度にお考えいただき、まずは内容をご相談ください。
※長編作品の場合、資料調査内容によって調査費用上乗せをご相談する場合があります。
※大学・博物館等から資料収集が必要な場合、その実費および手数料はご請求させていただきます。
※時代考証監修の場合、別途ご相談ください。
納品形態
基本的にはメール等でご依頼後、3〜7日程度でPDFに資料をまとめてお返しします。
その他ご希望の方法によって対応いたしますが、資料確認の時間が必要となりますので、即答は難しいものとお考えください。
※調査内容が国内に限ります。
※西洋案件の場合、資料収集が難しいこともあり、お断りする場合があります。
※監修に関してはオンラインMTGで完了する場合もあります。
ご注意
- 江戸期以前の場合、歴史遺産領域学会内でも意見が割れている場合があります。
その場合、弊社歴史調査担当が師事している大学教授が所属する学会意見を尊重することとなります。 - 弊社にて収集した資料の権利は、資料元の所有者が有しています。ご注意ください。
- 参考資料としての利用には問題ありませんが、そのまま再販等で利用する場合、所有者の許認可が必要となります。
これらの交渉案件については別途費用が発生する場合がありますので、利用方法について事前にお知らせいただけると、利用の可否・範囲についてもお伝えすることができます。
NDAについて
弊社では、お客様の機密情報を適切に保護することを最重要事項と考えております。秘密保持契約(NDA)につきましては、ご相談の開始時だけでなく、必要に応じて後からでも締結させていただきますので、ご安心の上お問い合わせください。

背景美術における窓(板)ガラス・雨樋・屋根材についての調査例
輸出展開まで視野に入れた某コンテンツにて、美術背景・キャラクター衣装・モブキャラ衣装の時代資料収集で多かった例に、「日本の明治初期・明治中期以降・大正・昭和初期頃」に関するサポートが多かったので、参考までに実例をご紹介します。
板ガラスは明治40年以降に国産で作られるようになったが、庶民の家屋では障子がガラスと同様の役割を果たしていたので、農村部では昭和中期頃まで板ガラスはあまり普及していなかったと推測されます。
ちなみに、Google画像検索で「明治 写真」などのキーワードで出力される写真資料の多くは明治40年以降、大正初期ごろのものがほとんどです。

コンテンツの時代設定は幕末で、窓ガラスの有無を始めとした建造物の描き方。特に屋根の表現で日本か中国かを認識する傾向にありました。
瓦屋根は中国と誤認識されてしまうため、板葺き・石置き屋根と、瓦屋根の併合および樋(木樋)を描くことで、明治初期の日本感が出る資料を用意し、採用していただきました。
時代考証資料収集実績
シナリオの人物描写、台詞回し、陣のとり方や室町時代の建物、小舟などできる限り作画・レイアウトに必要な資料を収集しました。
またテロップの文言の提供、SF的な要素を加味した背景設定などへのアドバイスも行いました。
考証依頼資料収集・レポート参考例
実案件の紹介はさまざまな制約があるためご紹介できませんが、案件をもとにしたサンプルを制作しました。依頼〜検証レポートの一例です。この他、メールによる確認のほか、演出・舞台設定のファンタジー要素などに応じ、どこまで史実に寄せるか、または史実を底にしてファンタジー設定をどこまで乗せるかなどの相談に応じています。
※キャラクターはフリー素材に置き換えてあります。
