観光研究の現代的課題:なぜ観光で地域が儲からないのか
日本の観光地を疲弊させている真因は、稼いだ利益がザルのように地域外へ流れ出す収益漏出の仕組みにあります。
従来の集客至上主義はもはや限界を迎えており、デジタル決済やIP(知的財産)の活用を含めた、ビジネスモデルの抜本的な再定義が必要です。
本レポートの主要な論点
調査の結果、「観光では儲からない」という仮説は、**旧来のパラダイムに固執する限りにおいて「完全に真実」**であることが浮き彫りになりました 。
- 「昭和の方程式」の崩壊:
「人数 × 単価」という単純な計算が、プラットフォームへの手数料流出(デジタル・リーケージ)によって機能不全に陥っています。 - 「観光客」という虚像:
均質な「観光客」を追う従来のセグメンテーションが、高付加価値を求める「行動する主体」を取り逃がしています。 - IP(知的財産)の搾取構造:
聖地巡礼等のブームにおいても、地域は「場所貸し」のコストを負担し、利益の大部分は都市圏の権利者へ流出しています。 - マーケティング理論との断絶:
LTV(顧客生涯価値)やCAC(顧客獲得単価)といったビジネスの基本概念が、現在の観光政策には決定的に欠落しています。
結論:地域を「高収益プラットフォーム」へ
観光を「人を呼ぶだけのビジネス」から「地域の無形資産(文化・体験・IP)を活用したライフスタイル・マーケティング」へと転換できた地域のみが、次世代の豊かさを享受できます。
公開日: 2026.03.22

