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「ことほむ」は古代日本語「言祝む(く)」から来ています。現代でも「寿ぎ」として使われ、祝福を意味しています。

文化財を後世に残すために。

私達は埋もれている地域の文化財を少しでも後世に残したいと思い活動しています。

地域の依代であり、日本を形作る最小単位でもある文化は、 その土地の特性を活かした地域産業の歴史であり、 この先地域が維持・発展していく考え方の基礎でもあります。 こうして文化から生まれた地域文化財を観光資源として再評価し、ブランドとして活用することで広い分野の地域産業に経済的な影響を与えると考えています。

こうした状況の中で、私達の得意な企画・デザイン・調査分析の分野において地域のお役に立てないかを考え、京都芸術大学で出会ったメンバーで「あなたの地域をことほむ」プロジェクトを立ち上げたことがきっかけです。

またアニメーション制作やゲームコンテンツの設定協力(時代考証)に携わったことにより、サブカルチャー分野の持つストーリー・テラー(語り部)としての能力は、観光動機につながる大きな可能性があることに着目し、コンテンツツーリズムを通じた地域内でのビジネスエコシステムを作り上げるべく活動しています。

ことほむ合同会社・一同


カルチャーフェロー:青山信子

日本の陶磁器産業を発達させてきたグループ企業のひとつ、特殊窯業と呼ばれる分野の製品を製造している 企業の総合管理職を経て、2014年から京都造形芸術大学で芸術学(修了)・文化遺産学(修了)を学び直しました。現在は京 都芸術大学大学院で文化遺産を研究しています。大学で知り合った専門分野に特化したメンバーと、ことほむプロジェクトを立ち上げ、フェローとして研究を続けています。

文化というのは形がないものが多く、一度失うと取り戻すことが難しい反面、うまく活用していくと産業を通して地域を発展させられる力を持っていることを前職から学んでいます。この学びから多くの地域で役立 てたいと考え、最も基礎である歴史遺産を見直すことで、観光産業を通して寄与していきたい思いです。


プロデューサー:伊藤昌輝

1990年代に印刷工程電算化から某出版社の編集工程DTP化や、2000年代に家庭用インクジェットプリンターの普及販促、大型インクジェットプリンターの用途開発を経て、CMSウェブ・サイトのマーケティング活用および制作・運用、GoogleアナリティクスによるKPI効果測定などの業務をマーケティングに携わる部署 にフリーエンジニア・デザイナー(戦略設計)の立場で数多く参加しました。

長野県松本市に居住していた頃、上記の知識を活かして松本市の観光戦略に携わったのをきっかけに、長野県各地の観光プロモーションに携わらせていただきました。 観光社会学を通じて観光と文化財の関係、情報のあり方を研究し、何かしら地域産業に還元したい思いです。2014年に京都造形芸術大学通信教育部芸術学部へ入学しましたが、2020年3月、武漢発新型コロナウィルスの影響で経済状況が悪くなり、中途退学を余儀なくされました。落ち着いたら再入学を果たす予定です。令和3年、観光庁の観光中核人材育成事業のひとつ、北陸先端科学技術大学院大学主導の北陸観光コア人材育成スクール2期生として修了しました。


デザイナー:伊藤あすか

紆余曲折を経てグラフィックデザイナーの道を歩んでいます。芸術知識を深めたくて、2013年に京都造形芸 術大学通信部芸術学部芸術教養学科に入ってから、デザインと造形に加えて、歴史と文化についての関係性に気がついて、今みなさんと一緒に活動させてもらっています。

花形でもあるシンボルマークやキャラクターのデザインも手がけてみたいのですが、「地紋様」というパターンで繰り返される紋様のデザインをメインに考えています。地紋様はシンボルマークとともに使えたり、 公共交通のバスや電車のほか、お土産のパッケージや手ぬぐいなど、本当に幅広く便利に使えるので、皆さんに喜んでいただけるのはこちらのような気がしています。


写真家:日比野友香

2014年に京都造形芸術大学へ入学してから皆さんと出会いました。体に関するトラブルによって通常の学生生活を送れず、高認試験をうけて通信教育部に在学しています。趣味で写真を撮ったり、イラストを描いたりしていましたが、元々侍や刀に興味があって、昔の文献とかを調べることが多かったので、そうしたことを活かしてみたいと考えていました。

ことほむプロジェクトでは、イメージしづらかった地域で活躍した偉人を時代考証をしながらビジュアル化 するという自分の得意としていることで役に立つことができました。さらに写真と組み合わせた表現をしてみたり、新しいことにチャレンジできて、地域のみなさんのお役に立てることをうれしく思います。

だいだらぼっちくんは、ことほむのキャラクターであり、シンボルでもあります。
Character image design by ASK ITO

アニメーションと観光は、日本が世界に誇れる希少産業

レシプロエンジンよりも構造が単純な電気自動車へシフトしようとする時代において、自動車産業は日本を経済的に優位にする産業ではなくなってしまうかもしれません。他に残る世界に向けて優位に立てる産業を眺めている中で、地域産業と結びつきやすい「観光」分野は地域文化の独自性が魅力となり、発展できる可能性に満ちています。観光産業先進国から見るとまだまだ未開拓であり、決して宿泊業だけが観光を担っているわけではないことがまだまだ浸透していません。長期滞在が一般的な欧州の観光客がとる行動データからも、ゲストとしてその地へ長期に訪れるため、一時的な人口増となり、地域への経済効果は高いという結果も出ています。

ただそこには来訪動機がなければ観光に訪れることはありません。欧州の観光客が全員忍者が好きなわけではありませんし、江戸時代が好きなわけではありません。近年増加しつつあるアジアからの観光客の場合、日本のアニメを小さなことに見ていたことがきっかけで、日本にやってくる人もかなり居ます。この人達は日本語を話せる人が多いため、コミュニケーションに対して恐怖することはありません。

こうした背景の中、アニメーション制作業界を見ていると、そのビジネスエコシステムにはほころびが多く見られます。このほころびをパッチを当てるのではなく、地域観光と結びつけらてらモデルを組み立てることで、双方にとって良い道ができあがることを信じています。

観光・アニメーション業界の関係者の皆さん、新たなモデルの構築に、ぜひご協力をお願いします。